本記事の内容は一個人の考えや解釈を示したものです。内容は十分に吟味しておりますが誤りが含まれる可能性があることをご了承ください。
所得税、住民税、社会保険料をどこよりもわかりやすく解説します。
これら3つの税金は分り辛く作られていますので、誰でも分かるレベルでの解説を心掛けます。
調べても意味がわからないや
少しでもわからないところがあれば質問してください。記事が更に良くなります。
所得税
所得税の計算方法はこの通りです。
事情を考慮した年収×所得税率
所得税率は変わります。
年収が多い人は年収の20%ね、
少ない人は年収の5%ね、
といった具合に。
そしてその年収には事情が考慮されます。
それぞれに事情があるから、
汲み取ってあげますよということです。
同じ年収でも
奥さんを養ってる人と
独身の人なら
どちらが金銭的に厳しいか。
奥さんを養うのは大変でしょう。
安くしますよ
といった具合です。
<たとえば僕の場合>
本当の年収は420万です。
しかし事情を考慮して年収181万ということで
所得税を計算してもらってます。
じゃあ事情分の239万円の内訳は?というと
事情とは
- 誰でも年収が38万円低いことにする(基礎控除)
- 会社員なら100~200万くらい年収が低いことにする(給与所得控除。スーツ代、定期代とかかかるよね。安くしとくね。というのが定義されてます。金額の計算方法は超複雑なので割愛)
- 社会保険料を払ってる人なら払った金額分、年収が低いことにする(社会保険料控除)
- 主婦、子供を養っていたら、一人につき38万円年収が低いことにする(配偶者控除、扶養控除)
<たとえば僕の場合>
会社員で、社会保険料を払ってるので、
- 38万(誰でも)
- 138万(会社員なら)
- 63万(社会保険料の全額)
全部足して239万。
420万-239万=181万。
つまり僕の事情を考慮した年収は181万円です。
で、この事情を考慮した年収のことを
「課税所得」といいます。
この記事の中で一番大事な言葉です。
色々な場所でこの言葉が出てきます。
所得税率の決め方
ここまではわかった。
じゃあ181万円だと、所得税はいくらなの?
下の表に当てはめて計算すると、1年間に払う所得税になります。
事情を考慮した年収 | 1年間で払う所得税 |
~195万 | 5% |
195~330 万 | 10%ー9万7500円 |
330~695 万 | 20%ー42万7500円 |
695~900 万 | 23%ー63万5000円 |
900~1800 万 | 33%ー153万6000円 |
1800~4000 万 | 40%ー279万6000円 |
4000 万 ~ | 45%ー479万6000円 |
<たとえば僕の場合>
181×0.05=9万。1年間で払う所得税は9万円です。
会社がボーナスを年間5ヶ月分出すと仮定しましょう。
17ヶ月で割れば毎月の所得税額がわかります。
9万÷17ヶ月=5294円
あなたも毎月5000円くらい所得税が引かれてるのではありませんか?
195万円より下なら5%なんだ!
一番安いところじゃないっ!
なるべく195万円以内に納めた方がお得なのかしら?
嫁さん、良い着眼点です。
では195万を超えると損なのでしょうか。
「事情を考慮した年収」と「所得税額」の関係をグラフにまとめました。
税率の境界「195万」の前後で比較してみましょう。
年収ー各自の事情 | 計算式 | 1年間に払う所得税 |
180 万 | 5% | 9万円 |
195 万 | 5% | 9万7500円 |
195 万 | 10%ー9万7500円 | 9万7500円 |
205 万 | 10%ー9万7500円 | 10万7500円 |
どちらでも同じです。
税率の境界は意識しなくてOKです。
でも195万より上の範囲だと、
年収15万円上昇に対して、所得税の上昇が7500円→10000円になっています。
お金持ちほど税金はたくさん払うのです。
住民税
続いて住民税の計算方法は
事情を考慮した年収×約10%
厳密にいうと10.XXXパーセントです。市町村によって小数点以下が微妙に違うので10.4%くらいだと覚えておけば尚完璧です。
で出すことができます。
住民税は簡単
住民税の計算方法はかなり簡単です。
住民税の方が2倍くらい高いんだよな
<たとえば僕の場合>
181万×0.10=18万1000円を年間支払います。
17ヶ月で割ると
181000÷17=1万1000円
毎月1万1000円くらい払っています。
給料明細を確認してみてください。
社会保険料
こいつが諸悪の根源です。
20万給料があったら、
所得税と住民税で8%(1万5000円)
社会保険料で15%(3万)、引かれています。
計算方法
社会保険料は、「4~6月を平均した収入」によって計算されます。
何月でも、4~6月の収入を元に計算されます。
計算した金額を「標準報酬月額」といいます。
厳密な計算方法は超複雑なので説明しません。
そして所得税や住民税のような事情考慮はありません。
ぶっちゃけ払う金額
ぶっちゃけ払う金額はいくらなのでしょうか。
下の3つから構成されていて、払う金額はこんな感じです。
- 医療保険(5%ほど)
- 年金保険(9%ほど)
- 労働保険(0.7%ほど)
合計15%
年収420万円なら
63万円払っています。
でもこの社会保険料、もう半分(63万円)を会社が払ってます。
なので自分の社会保険料は126万円、国に納めてます。
受けられるサービス
これだけの金額を払っているので、サービスが大変充実してます。
- 65歳以降、月に5万円もらえたり(国民年金)
- 65歳以降、月に15万円(女性は7万くらい)もらえたり(厚生年金)
- 病院のお金が3割で済んだり(健康保険、もしくは国民健康保険)
- どんな高額な治療費も10万未満になったり(高額療養費制度 ★ )
- 出産時に100日間、給料の2/3がもらえたり(出産手当金 ★ )
- 一児の出産につき40万円支給されたり(出産育児一時金 ★ )
- 子どもが2歳になるまで給料の2/3がもらえたり(育児休業給付金 ★ )
- 労働中の怪我をしたら給料の2/3がもらえたり(傷病手当金 ★ )
- 労働中の怪我をしたら治療費は全額、国が負担してくれたり(労災保険 ★ )
- 失業したら給料の40%くらいもらえたり(失業保険★)
いや、こんなんじゃモトとれなくない!?
得なのか?損なのか?
今払って、将来、払った分をきっちり受け取ろうという制度ではないんです。
年寄り・病気の人を、働いている人で支援するための制度なんです。
嬉しくない制度ですよね・・・
計算するまでもなく
払った金額分、戻ってきません。
ちなみに「★」がある内容は会社員だけの特典です。
個人事業主は「★」の特典がなくなりますが
その分、納める税額が恐ろしく安いです。
こちらはある程度モトがとれています。
たとえるなら
会社員は、余計なソフトまで大量にインストールされてる重くて高額なパソコン
事業主は、最低限のソフトしか入っていない軽快パソコン
といった具合です。
日本の税制はサラリーマンに厳しく
事業主に優遇されています。
それではまた!
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